長崎上五島へ
以前長崎に来たときに食した「皿うどん」にかなり閉口した経験があるので、主催者の方に連れられた「長崎ちゃんぽん」にも疑心暗鬼。
しかし、格安の価格にもかかわらず、そのさっぱりした「長崎ちゃんぽん」の味は先の悪い記憶をすべて払拭するものでした。
長崎港出港
激しく揺れ決死の航海になると聞かされていた長崎発上五島行きの高速船。比較的穏やかな海のおかげで、想像以上のスピードに驚きつつも少し悪路の自動車程度のゆれで程なく上五島鯛ノ浦港に到着。
ギターの小泉清人さんとのデュオの上五島の旅は順調にすべりだしたのでした。
一日目
島の由緒ある古い隠れキリシタンの時代からの教会で、夕方、ミサの後に演奏する。
聴いてくださるのは、長い長い坂道をゆっくりミサに向かうため上ってこられた数十人のお年寄りとおそらく夏休みで帰省しているであろう子供たち。
その数十人がこの深い切り立った斜面の入り江の小さな集落の全住人なのです。
教会という場所柄とその空間の長めの残響、そして、音楽の途切れるときに聞こえる風の音、せみの声の共演もあり、不思議そうなまなざしのお年寄りと、子供たちの前の私たちの演奏はなにかに導かれる如し。おそらくトロンボーンの音をはじめて聴くみなさんになにかとどいたような気がした。
演奏が終わるとみんな微笑んでいた。
二日目と三日目
町の人口たしか約3000人。全島あわせても20000人ぐらい
そんな町で300人の客席を持つホールと島唯一のライブハウス「ジョージハウス」で小泉さんとデュオのライブ。
現時点のオリコンチャート1位のアーティストが来ても平均年齢が高い地域ゆえ、その集客力も十分に発揮するのは難しいであろうに、無名な私に何ができるのでしょうか。
しかし多くの上五島の皆さんのおかげで、ありがたいことに両ライブとも多くの皆さんの前で演奏することができたのでありました。
感謝感謝。
いろいろな話を聞く中で決して上五島の未来は明るいことばかりではなさそうなのですが、島在住のみなさんはみんな明るく元気で、実に毎日を楽しく過ごしておられるように見えるのでした。
打ち上げ席でご披露していただいた地元の歌「鯨歌」(正確な名前は覚えられませんでした)
これがまた、今まで聞いた民謡のどれとも違うリズム。そしてそのリズムアレンジ。唄も含め驚嘆に値するすばらしい音楽でした。
それがまた、若い世代にも確実に受け継がれています。
すばらしい!!
Kさん、Kさんのお兄さん、そして、そのご家族のみなさま、Nさん、Gさん、しんうおのめウインドアンサンブル響のみなさま、小泉清人さん
本当にありがとうございました!!